全国各地にはいろんな銘菓があります。
北海道の「白い恋人」
青森の「南部せんべい」
京都の「八つ橋」 など。
それで、青梅の場合何があるかというと…。
コレです。↓
青梅せんべい。
青梅や近隣の市町の人たちはみんな知っていて、だれでも一度は食べたことがあります。
もちろん僕も食べた事があるし、子どもの頃から知っている。
ジャンル的にはいわゆる「かわらせんべい」というやつです。
どうですか、このヴィジュアル。
地味でしょ!
クリームがサンドしてあるとか、フルーツが入っているとかじゃないの。
大昔から変わらぬこの味、このかたち。
一本筋が通っています。
いま流行りの
「お口の中でホロホロととける」とか
「コクのあるバターの香り」とかじゃないの。
「ゴリゴリ、バリバリとした食感」
「お醤油のしょっぱいにおい」
硬派です。
強気なのです。
青梅せんべいを手で2つ割ろうとすると、「バッキン」と割れて破片が周囲に飛び散ります。
歯のぐらぐらしている人がうかつに噛みついたら、一本もっていかれるぜ。
先日、この青梅せんべいを家に持って帰ったら…。
僕がコンビニ袋の中に、お土産らしきもの持っているのを見て家族は
「なに買ってきたの?」と聞く。
そこで
「青梅せんべいだよ」とこたえると、
家人の顔は無表情に。。。
そして僕が一人で青梅せんべいを食べていると
「ボロボロこぼさないでよね」とご忠告。
うるせーなぁ、オレが何か悪いことでもしたのかYO!
だから新聞紙を広げてその上で食べました…。
こんなこと言っていると、まるで青梅せんべいがイマイチ美味しくないんじゃないかと思われてしまいそうですね。
そんな事はないんです。
本当はおいしい。
ただ、渋好みの味っていうか、本物すぎるんですね。
もしこれを家の者にウソついて
「フランスの昔からあるクッキーなんだよ」
と言って食わせればきっと
「おいしい〜」
といって食べる事でしょう。
そして青梅せんべいはロングセラーのお菓子だけあって、クオリティーだって申し分なく高い。
お客様のお茶菓子に出したって誰からもはクレームつかないだろう。
実際に食べてみれば玉子の風味やお醤油の香りがいい感じのハーモニーを奏でているんだけど、今の人の感覚だとバターとか、クリームとか、フルーツとか入っていないとつまらないのかなぁ。
ダシ巻き玉子とデミグラスソースのかかったふわふわオムレツとじゃあ、オムレツのほうが派手に見えるもんなぁ。
しかし、だからと言ってこのせんべいを
「サクッとクリスピーな食感」とか
「ブルーベリーが入っていいます」なんてやりだしたら
もう、それでは青梅せんべいじゃない。
青梅せんべいは堅くなくっちゃいけません。
ゴリって感じでね。
チャラチャラしているのも似合わない。
また、あのパッケージが素晴らしいじゃないですか。
シブイのかダサイいのかよく分からないデザイン。
昭和レトロじゃなくて、リアル昭和。
半分、時代に取り残されたような感がありつつも、哲学があるからいつまでもすたれない。
おいし過ぎるいま流行りのお菓子にあきたら、青梅せんべいを一度たべてみてください。
きっと世界が広がるよ。